重要資源調達での協力を独仏伊が強化

欧州連合(EU)主要国のドイツ、フランス、イタリアは26日に開いた経済産業担当相会合で、重要資源の調達での協力を強化することで合意した。レアアースなどでの脱中国依存を図る狙いがある。

EUはレアアースやリチウムなどの調達で中国に大きく依存している。特に電動車や風力発電などのモーター用磁石などに用いられ、カーボンニュートラル経済への移行に欠かせないレアアースの依存度は95%に上る。

こうした状況を改善するため、欧州委員会は3月、重要鉱物資源の域内調達を促進する「重要原材料法案」を発表。リチウム、ニッケル、レアアースなどのレアメタル(希少金属)や銅の鉱物資源について、2030年までにEU内における年間消費量の少なくとも10%を域内で採掘し、40%を加工することや、15%は再利用することを目指す方針を打ち出した。さらに戦略的に重要な鉱物資源について、域内での年間消費量の65%以上を域外の1カ国から輸入することを禁止することも盛り込まれている。

ドイツなど3カ国は同法案を評価しながらも、各国政府が具体的な行動を起こす必要性を確認。調達での協力をさらに推進することで合意した。

上部へスクロール