生産者物価の上げ幅が2年4カ月ぶりの低水準に、5月は1%

ドイツ連邦統計局が20日発表した5月の生産者物価指数(2015年=100)は前年同月比1.0%増となり、上げ幅は21年1月以来2年4カ月ぶりの水準に縮小した。ロシアのウクライナ侵攻開始から1年以上が過ぎたことから、ベース効果で物価を押し上げる力が弱まっており、川上のエネルギーと中間財では前年同月を割り込んだ。

エネルギーは3.3%減となり、下落へと転じた。電力が10.2%、石油製品が21.0%の幅で低下。灯油の下げ幅は32.7%に上った。天然ガスは前年同月を3.8%上回ったものの、上げ幅は前月の同10.8%から大幅に縮小した。

エネルギーを除いた生産者物価の上昇率は3.2%で、エネルギーを加味したベース(1.0%)を3カ月連続で上回った。ただ、エネルギーの指数自体は15年(100)の2倍強の201.1と、極めて高い水準にある。

中間財も2.3%減となり、低下に転じた。金属が10.9%下落。銑鉄・鉄鋼・鉄合金では下げ幅が18.1%、鉄筋では同40.1%に上った。二次原料(-30.5%)、木材(-28.4%)、木製包装材(-24.8%)も大きく下がっている。石灰・焼石膏(+41.5%)、中空瓶(+33.7%)、セメント(+33.0%)、生コンクリート(+26.3%)、セルロース・紙製の家庭・衛生・トイレ用品(+19.3%)、ガラス・ガラス製品・セラミック・加工石材(+17.0%)などは大きく上昇した。

投資財は6.5%上がった。構成比重の大きい機械で8.2%、自動車・自動車部品で5.6%に上っている。

耐久消費財は7.9%で、白物家電は9.1%、家具は8.8%だった。

非耐久消費財は10.1%(前月11.4%)で、食料品は11.9%(同13.6%)に上った。砂糖は92.0%、加工済みジャガイモは41.0%、豚肉は22.4%、果物・野菜製品は22.1%だった。バターは28.9%、非加工の植物油は43.7%の幅で下落した。

生産者物価指数は前月比では1.4%低下した。ピーク時の昨年9月(指数172.5)に比べると13.6%低い水準だ。エネルギーが前月比で3.5%、中間財が同1.1%下がり、全体を強く押し下げた。非耐久消費財は0.1%、耐久消費財と投資財は各0.2%の幅で上昇した。エネルギーを除いたベースでは同物価の低下幅が0.4%だった。

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