独電気電子工業会(ZVEI)が12日発表した同国電機業界の4月の新規受注高は前年同月を4.1%下回った。減少は2カ月連続。経済の世界的な低迷が影響している。物価を加味した実質ベースでは4カ月連続で前年同月割れとなった。
名目ベースの新規受注を地域別でみると、国外が16.5%減なり、前月に引き続き足を強く引っ張った。ユーロ圏(ドイツを除く)が8.7%減、ユーロ圏外が20.5%減だった。国内は13.2%増となり、拡大へと転じた。
3月以降の不振を受け、1~4月の新規受注も前年同期を0.9%下回った。ユーロ圏が6.9%、ユーロ圏外が5.4%の幅で後退。国内は6.0%増加した。
4月の生産高は前年同月比で実質2.0%増えた。受注残高が高水準にあることが大きい。1~4月も前年同期を5.8%上回った。
5月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合から「縮小」の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)は前月の0.3ポイントからマイナス1.0%へと低下した。生産減を予定する企業が生産増を上回っている。減少は4カ月連続だ。
4月の業界売上高は前年同月比10.3%増の180億ユーロに拡大した。国内が12.0%、ユーロ圏が9.4%、ユーロ圏外が8.6%伸びた。
1~4月の業界売上高は前年同期比14.8%増の791億ユーロで、内訳は国内が17.8%増の384億ユーロ、ユーロ圏が10.6%増の147億ユーロ、ユーロ圏外が13.3%増の260億ユーロだった。
5月の業界景況感指数(DI)は5.5ポイントとなり、前月(11.6ポイント)を大幅に下回った。現状判断を示す指数が34.4ポイントから24.6ポイント、今後6カ月の見通しを示す期待指数がマイナス8.9ポイントからマイナス12.0ポイントへともに落ち込んだ。
5月の輸出期待指数(DI、先行き3カ月)は前月の2.1ポイントから2.3ポイントへとやや上昇した。
ZVEIは今回、2022年の実質生産成長率を従来の3.5%から3.7%に上方修正した。