ドイツの産業立地条件が悪化しているにもかかわらず、同国の電機メーカーの大半が自国への投資を優先していることが、独電気電子工業会(ZVEI)の臨時アンケート調査で分かった。ヴォルフガング・ヴェーバー専務理事は、煩雑な規制や重い税負担が足かせになっていると指摘したうえで、「政治はさらなる障害を作るのではなく、この(企業の)意思を支援すべきだ」と訴えた。
アンケートはZVEIの会員企業139社を対象に5月末に実施された。それによると、競争の上でドイツの産業立地の質が過去5年間で悪化したとの回答は90%に達した。電力の価格高騰・供給懸念のほか、「規制の津波」や極端に鈍足な認可・計画手続き、国際的にみて重い税・公課が大きな負担になっているという。
少子高齢化を背景にただでさえ少ない人材がコンプライアンス規制に対応するために労力をそがれることから、新製品・サービスの開発が遅れ、生産性が上昇しないとしている。「過剰な規制は技術革新の障害になっている」との回答は90%に上った。
それにもかかわらず、「今年の国内投資額を昨年以上に保つ」計画の企業は75%、「ドイツに優先的に投資したい」は同71%に達した。