ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した5月の乗用車新車登録台数は前年同月比19.2%増の24万6,966台となり、4カ月連続で拡大した。サプライチェーンのひっ迫緩和で受注残の消化が加速している。ただ、コロナ禍前の19年5月(33万2,962台)に比べると25.8%少ない。1~5月も前年同期比10.2%増の111万6,731台に拡大したものの、19年同期(152万3,769台)比では26.7%減少した。
5月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は46.6%増と大きく拡大した。プラグインハイブリッド車(PHV)を含むハイブリッド車(HV)は18.1%増えたものの、PHVは補助金打ち切りの影響で40.5%落ち込んだ。純粋な内燃機関車はガソリン車が17.6%増、ディーゼル車が3.6%増だった。
シェアをみると、BEVは前年同月の14.1%から17.3%へと大幅に拡大した。HVは29.3%から29.0%へとやや低下。PHVは11.2%から5.6%へと半減した。ガソリン車は0.5ポイント減の35.5%、ディーゼル車は2.7ポイント減の17.6%だった。BEVとPHVの合計のシェアは22.9%(前年同月25.3%)、BEVとHVは46.3%(同43.4%)となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は120.0グラムで、前年同月を0.2%下回った。
新車登録を部門別でみると、伸び率が最も大きかったのは中大型車で、63.6%に上った。中型車(62.6%)も好調だった。
シェアでは1位のSUVが28.5%から29.7%に拡大。2位のコンパクトカーは15.4%から15.2%へとやや落ち込んだ。3位には急増した中型車が12.1%で付け、小型車(0.9ポイント減の11.1%)は4位に転落した。
伸び率が最も大きかったブランドはテスラで、1,696.9%増の5,265台と4ケタ台の伸びを記録した。ロータス(270.0%増の37台)、アストンマーティン(205.3%増の58台)、アルファロメオ(169.5%増の609台)、MGロエベ(117.6%増の1,780台)も3ケタ増と好調だった。
ドイツ車はBMW(60.2%増の2万7,489台)、メルセデス(55.0%増の2万7,911台)、アウディ(36.0%増の2万2,143台)、スマート(27.3%増の1,623台)、ポルシェ(20.4%増の2,992台)が平均(19.2%増)を上回る伸びを記録。MAN(16.4%増の199台)、VW(13.0%増の4万3,831台)、ミニ(9.1%増の3,788台)も増加した。フォード(10.2%減の1万913台)とオペル(20.3%減の1万405台)は振るわなかった。
日本車ではレクサス(76.5%増の240台)、マツダ(68.2%増の3,279台)、スズキ(55.1%増の1,478台)、スバル(49.6%増の344台)が大きく増加した。その他のブランドはトヨタが11.5%減の5,768台、日産が26.0%減の1,817台、三菱が46.1%減の1,538台、ホンダが50.7%減の433台だった。
日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、ダチア(56.3%増の5,658台)、シュコダ(23.6%増の1万3,157台)、セアト(20.2%増の1万1,434台)、ボルボ(11.4%増の3,091台 )、プジョー(10.6%増の3,521台)、現代(9.9%増の9,341台)、起亜(1.5%増の6,684台)は増加。シトロエン(10.5%減の3,700台)、ルノー(11.6%減の5,287台)、フィアット(17.3%減の5,650台)は落ち込んだ。
新参組の中国勢はGWM(長城汽車)が155台、BYD(比亜迪汽車)が54台、NIO(蔚来汽車)が44台、AIWAYS(愛馳)が1台だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した5月の国内乗用車生産台数は38万100台となり、前年同月を25%上回った。輸出台数も24%増えて29万5,700台となった。1~5月の累計は生産台数が前年同期比32%増の183万8,200台、輸出台数が33%増の136万9,700台だった。