輸入物価が09年以来の下げ幅に、4月は-7%

ドイツ連邦統計局が5月31日発表した4月の輸入物価指数(2015年=100)は前年同月比7.0%減の128.6となり、09年10月以来の大幅下落を記録した。同物価の低下は2カ月連続。比較対象の22年4月はロシアのウクライナ進攻開始(2月24日)の影響で輸入価格が高騰していた。今年4月はそのベース効果で物価を押し上げる力が弱まったうえ、物価高騰の最大の原因となっていたエネルギー価格が大幅に低下したことから、指数が下落した。

エネルギーは前年同月を31.8%割り込んだ。下落幅は石炭で44.3%、天然ガスで38.7%、電力で38.6%、石油製品で28.4%、原油で21.2%に達した。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の下げ幅が0.6%にとどまった。

中間財は6.5%減となり、下げ幅は前月の1.9%から拡大した。低下は2カ月連続。下落幅は肥料・窒素化合物で49.3%、プラチナとその他の貴金属で32.6%、カルボン酸と誘導体で30.5%、アルミニウムで16.4%と特に大きい。スターチ・スターチ製品(+65.6%)、中空ガラス(+26.5%)は大きく上昇した。

非耐久消費財は4.8%上昇したものの、上げ幅は前月(6.7%)を下回った。上昇率は食料品で10.4%(前月14.0%)を記録。果物・野菜製品は13.9%(同17.7%)、食肉・肉製品は9.2%(13.9%)、豚肉は21.7%(35.0%)だった。

耐久消費財は4.4%(6.2%)。

投資財は4.7%で、前月を1.0ポイント下回った。構成比重の高い自動車・自動車部品は6.3%(7.1%)、機械は5.9%(7.1%)となっている。

農産物は3.2%減となり、下落へと転じた。天然ゴム(-31.5%)、穀物(-19.8%)、コーヒー生豆(-11.4%)は下げ幅が2ケタ台となっている。豚は29.6%、卵は27.9%上昇した。

輸入物価指数は前月比では1.7%減となり、8カ月連続で下落した。ピーク時の昨年8月(149.1)に比べると13.7%低い水準だ。エネルギーは前月比で6.6%低下。その他の財も中間財が1.2%、非耐久消費財が0.3%、耐久消費財が0.6%、投資財が0.1%、農産物が2.4%の幅で下落した。

輸出物価指数は前年同月比1.1%増の123.0となり、上げ幅はこれまでに引き続き縮小した。押し上げ効果が最も大きかったのは構成比重が約46%に上る投資財で、上昇率5.4%を記録。機械は8.0%、自動車・自動車部品は3.9%だった。

同比重が約33%に上る中間財も0.2%下落。消費財は4.9%上昇した。

輸出物価は前月比では0.4%下がり、4カ月連続で低下した。過去最高となった昨年8月(128.7)に比べると4.4%低い。

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