Ifo経済研究所が26日に発表した5月のドイツ価格計画指数(DI)は19ポイントとなり、前月の21.5ポイントから低下した。同指数の下落は8カ月連続。ただ、食品小売や飲食、旅行などでは水準が依然として高く、調査担当者は、消費者物価レベルのインフレ率は極めて緩やかにしか低下しないとの見方を示した。
Ifoは月例の企業景況感調査の一環として今後3カ月の販売価格見通しを質問している。企業は「値上げする」「据え置く」「値下げする」のどれかを選んで回答。「値上げする」の回答比率から「値下げする」の回答比率を引いた数に季節要因を加味したものが価格計画指数となる。すべての企業が「値上げする」と答えれば同指数は100ポイントとなり、すべての企業が「値下げする」とすればマイナス100ポイントとなる。
流通業の価格計画指数は18.6ポイントで、前月(26.4ポイント)を大きく下回った。自転車販売店では31.2ポイントからマイナス21.8ポイントへと大幅に低下している。ただ、消費者の利用頻度が高い食品販売店では63.2ポイント(前月69.7ポイント)と水準がなお極めて高い。飲食店と旅行代理店もそれぞれ34.1ポイント、46.5ポイントに上った。
製造業は12.1ポイントから7.7ポイントに下がった。製紙(-55.4ポイント)、化学(-27.9ポイント)、繊維(-20.7ポイント)、ゴム・樹脂製品(-14.2ポイント)、ガラス・セラミック(-9.5ポイント)では値下げ回答が値上げ回答を大きく上回っている。ただ、メーカーレベルの値下げが小売レベルに波及するには時間がかかるというのが調査担当者の見方だ。
建設業は3.9ポイントからマイナス6.9ポイントへと低下した。