ドイツ鉄道(DB)を対象に鉄道・交通労組EVGが予定していた計50時間のストライキが中止された。スト差し止めを求めてDBが起こした裁判で、フランクフルト労働裁判所の裁判官が和解交渉を提案し、両者が受け入れたためだ。
EVGは11日、DBを含む交通会社およそ50社を対象に警告ストライキを実施すると発表した。期間は14日(日)22時~16日(火)24時までの50時間となっていた。
DBはEVGの発表を受け、14日22時から16日24時まで長距離旅客鉄道を全面運休にすることを明らかにした。ローカル線やSバーンなどの近距離鉄道も大部分が運休となる見通しだった。
同社はこれと並行して差し止め訴訟を起こしていた。裁判官は13日昼に始まった審理で、ストに疑問を呈するとともに、和解による解決を提案。最低賃金を巡る争いでDB側が譲歩の意向を示したことから、EVGは和解提案を受け入れた。
DBはこれを受け、長距離鉄道の運休を取り止めた。数千人の社員と週末中にコンタクトを取り、労働力を確保。ダイヤをほぼ本来の計画通りに運行できた。