電機業界の景気が弱含み局面に、新規受注と景況感がともに大幅悪化

独電気電子工業会(ZVEI)が9日発表した同国電機業界の3月の新規受注高は前年同月比9.7%減と大きく落ち込んだ。減少は2020年9月以来で2年6カ月ぶり。業界の景況感も大幅に悪化しており、チーフエコノミストは業界の景気は弱含み局面に入ったとの見方を示した。

新規受注は国外が15.2%減なり、足を強く引っ張った。ユーロ圏(ドイツを除く)が18.2%減、ユーロ圏外が13.5%減と、減少幅はともに2ケタ台に達している。国内は2.7%減だった。

3月の低迷を受け、1~3月の新規受注も前年同月比0.1%減となり、マイナスへと転じた。ユーロ圏が7.5%減少。ユーロ圏外も1.1%落ち込んだ。国内は4.0%増加した。

3月の生産高は前年同月比で実質6.3%増えた。サプライチェーンのひっ迫が長期化したことで受注残高が高水準にあることが大きい。1~3月も前年同期比6.6%上回った。今後は受注残の消化が進むと見込まれることから、2023年の生産成長率は1~2%にとどまるとZVEIは予想している。

4月(第2四半期初頭)の工場稼働率は85.7%で、1月(第1四半期初頭)の87.9%から大きく低下した。

4月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合から「縮小」の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)は前月の11.7ポイントから0.3ポイントへと大きく低下した。減少は3カ月連続。

3月の業界売上高は前年同月比16.3%増の230億ユーロに拡大した。国内が19.5%、ユーロ圏が12.3%、ユーロ圏外が14.4%伸びた。

1~3月の業界売上高は前年同期比16.0%増の609億ユーロで、内訳は国内が19.0%増の295億ユーロ、ユーロ圏が10.9%増の113億ユーロ、ユーロ圏外が15.0%増の201億ユーロだった。

4月の業界景況感指数(DI)は11.6ポイントとなり、前月(20.5ポイント)を大幅に下回った。現状判断を示す指数が42.8ポイントから34.4ポイント、今後6カ月の見通しを示す期待指数が0.2ポイントからマイナス8.9ポイントへとともに落ち込んだ。

4月の輸出期待指数(DI、先行き3カ月)も前月の9.0ポイントから2.1ポイントへと低下した。

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