ドイツ連邦統計局が10日発表した4月の消費者物価指数は前年同月比7.2%増となり、インフレ率は2カ月連続で低下した。ただ、水準自体は依然として極めて高い。ルト・ブラント長官は、先月に引き続き食料品が最も強く全体を押し上げたと述べた。
エネルギーの上げ幅は6.8%に上った。前月の同3.5%を上回ったものの、インフレ率を下回っている。比較対象の22年4月はエネルギー価格が高騰しており、今年4月はそのベース効果で上昇率が前月同様小さかった。製品分野別では天然ガスが33.8%増、電力が15.4%増となったのに対し、暖房油は21.8%、自動車燃料は9.4%低下した。エネルギーを除いたインフレ率は7.2%だった。
食料品の上げ幅は17.2%に上った。前月(22.3%)を下回ったものの、物価の構成比率が約12%と大きいことから、全体を強く押し上げた。上昇率は乳製品(34.8%)、穀物製品(21.3%)、魚介類・海産加工品(19.7%)、砂糖・ジャム・はちみつ・その他の甘味類(19.6%)で大きかった。
エネルギーと食料品を除いたコアのインフレ率は前月と同じ5.8%に上った。コアインフレ率は昨年12月に5.2%となり、初めて5%を突破。1月は5.6%、2月は5.7%へと上昇した。4月はひとまず頭打ちとなったものの、5月以降に低下ないし横ばいとなるかどうかは定かでない。
食料品以外の物品ではビール(15.0%)、ボディケア用品(14.4%)、ノンアルコール飲料(13.5%)、家具・照明器具(9.9%)、白物家電(7.7%)などが大きく上昇した。
サービスは4.7%となり、前月を0.1ポイント下回った。上げ幅は住宅修理・メンテナンス(14.8%)、パック旅行(10.4%)で2ケタ台に上っている。
前月比のインフレ率は0.4%となり、前月の0.8%を下回った。衣料品が1.8%、宿泊が1.6%、エネルギーが0.7%上昇。食料品は0.8%低下した。食品では野菜が7.5%減と大きく下落。バターも3.6%下がった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が7.6%、前月比が0.6%。前月はそれぞれ7.8%、1.1%だった。