●面積5万5,000平方メートルの複合施設が24年末に完工
●同国デジタル経済の17年から22年の年間成長率は平均16.8倍に
リトアニアの開発企業テック・ジティ(Tech Zity)が首都ビリニュスの旧縫製工場を改築し、欧州最大のハイテク企業団地「テック・ジティ・ビリニュス」を整備する。新興・テクノロジー企業の求める作業環境を提供することで、リトアニアのハイテク立地強化を狙う。総開発費は1億ユーロ。2024年末に完工する予定だ。
「テック・ジティ・ビリニュス」の面積は5万5,000平方メートルと、ハイテク企業団地として欧州最大のスタシオンF(パリ)より広い。定員10~1,000人のオフィス(総定員5,000人)のほか、共用ワークスペース、シェアハウス(定員5,000人)、イベントスペース、会議室、飲食店(10店舗)を設ける。年中無休で運営する。シェアハウスのスポーツ施設やバーなどは一般市民も利用できる。
テック・ジティは13年にハイテク企業団地第1号をオープン。現在、国内の3カ所で運営している。テクノロジー企業が必要とする設備や環境が揃っていることを強みに、グーグルやボアードパンダ(面白ネタサイト)、キロヘルス(健康アプリ)などをテナントとして獲得した。最近は、テック企業がパンデミックで自宅勤務に慣れてしまった従業員をオフィスに呼び戻そうと努力しているため、快適な仕事環境を提供する不動産の需要が高いと見込んでいる。
リトアニアのデジタル経済は、2017年から22年の年間成長率が平均16.8倍に上った。昨年も業界の不透明感が強い中でベンチャーキャピタル(VC)投資額が過去2番目に多い2億2,200万米ドルに達し、足腰の強さを感じさせた。ただ、英国(300億ドル)やフランス(135億ドル)に比べると、その額はまだまだ小さい。
テック・ジティのホームページ
https://techzity.com/tech-zity-vilnius/