●今回のラウンドは米シリコンバレーの著名投資家が複数出資
●同社は悪用対策として合成音声の真贋チェックツールを開発
音声生成AIを手がけるポーランドの新興企業イレブンラボズ(ElevenLabs)は20日、シリーズAの資金調達ラウンドで1,900万米ドルを確保したと発表した。ナット・フリードマン(GitHubの元社長)やダニエル・グロス(Cueの共同創業者)、ベンチャーキャピタル(VC)のアンドレーセン・ホロウィッツなど、米シリコンバレーの投資家が出資した。資金は開発に投じられる。
イレブンラボズの音声生成AIを使うと、◇合成音声によるテキスト読み上げ◇年齢・性別・アクセントなどを規定して新しい人工音声を生成――ができる。話した内容について声色を変えずに希望する言語に吹き替える「自動吹き替え」ツールは来年の本格リリースに向けてテスト中だ。
悪用対策としては、イレブンラブスの技術で合成された音声かどうかを確かめられるツール「AIスピーチ・クラシファイア」を今月中旬にリリースした。音声サンプルをアップロードするだけで確認できる。イレブンラブスの技術で合成されたままのデータであれば99%以上検知できるが、データに加工が加えられれば加えられるほど、その確率が下がっていくという。
今回の資金調達ではほかに、マイク・クリーガー(インスタグラムの共同創業者)、ブレンダン・イリベ(Oculus VRの共同創業者)、ムスタファ・スレイマン(ディープマインドの共同創業者)、スウェーデンのオーディオブック・ストリーミング企業ストーリーテル(Storytel)、ユーチューブ、フェイスブック、TikTokなどオンライン配信プラットフォームに特化した動画制作会社のソウル・パブリッシングが出資した。
このうちストーリーテルとは、自動吹き替えツールの開発で提携している。
イレブンラボズ社ホームページ
https://beta.elevenlabs.io/