●製品の再生カーボンブラックとタイヤ熱分解油は需要超過の状態
●シュチェチン工場の増強後は年間処理能力が3倍化
タイヤのケミカルリサイクリングを手がけるポーランドの新興企業コンテック(Contec)は15日、ポーランド開発銀行(BGK)のイノベーション技術投資子会社VINCI、建材メーカーのブラヒ・プルシンスキ、民間投資会社ワルシャワ・エクイティから500万ユーロを追加調達したと発表した。これにより、今年の総調達額は1,500万ユーロに達した。資金は、シュチェチン工場の能力引き上げ、欧州域内進出、自社製品の新規用途発掘、技術開発に用いる。
コンテックによると、同社の製品である再生カーボンブラック(rCB)とタイヤ熱分解油(TPO)の需要は生産能力を大きく上回っている。シュチェチン工場の増強はすでに進行中で、来年上半期に新しい生産ラインが稼働する予定だ。プロジェクトが完了すると年間処理能力は3万3,000トンへと3倍化する。
同社はまた、欧州の数カ所に新拠点を設ける方向で、適した立地を探している。
世界では年間10億本の使用済みタイヤ(廃タイヤ)が廃棄されている。適切に処分されなければ、土壌・大気汚染の原因にもなる。
一方で大手タイヤメーカーは2030年までに原料の30%以上を再生材料に置き換える目標を掲げており、需要が大きく拡大する見通しだ。
コンテックによると、同社の再生材料は従来品に比べ炭素排出量が20%以下で、製造業の循環型経済への移行に役立つ。
コンテック社ホームページ