セルビア中銀が予想外の利上げ、インフレ圧力に対抗

●インフレ期待の高まりに先手を打った形

●中銀は不確実性を考慮した「慎重な金融政策」の必要性を強調

セルビア中央銀行(NBS)は8日、政策金利を0.25ポイント引き上げて6.25%に設定した。市場は据え置きを予想していた。インフレ期待の高まりに先手を打ちインフレ率を確実に下げるため、予想外の利上げに踏み切った。

中銀は前々会まで13会合連続で利上げを実施した。昨年4月からの上げ幅の合計は今回を含めると5.25ポイントに上る。

4月のインフレ率は前月から1.1ポイント減の15.1%となり、23カ月ぶりに低下した。石油やエネルギー価格の下落が大きく、5月も14.3%まで下がると予想されている。今後について中銀は、年後半にかけて低下を続けた後で年末までに急激に下がり、2024年半ばには目標範囲の1.5%~4.5%に戻ると予想している。

中銀は声明で、電気やガス、その他一次産品などの価格は下落しているにもかかわらず、世界的なインフレ圧力は依然、懸念されると指摘。ウクライナ戦争の長期化や、将来的なエネルギー調達の不確実性を考慮した「慎重な金融政策」が必要だと強調した。

また、金融引き締めにより通貨ディナールの対ユーロの為替レートを安定させることが物価の安定に寄与するとの説明を繰り返した。

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