ポーランド、水素パイプラインとCCS施設の整備を検討

●化石資源の輸入を減らし、重要産業の脱炭素化を支援する狙い

●CCSは特に重工業の排出削減策として有望視されている

ポーランドの送ガス事業者ガスシステムが、水素パイプラインの敷設と二酸化炭素(CO2)の地下貯留施設の整備を検討している。政府のエネルギー戦略に沿うもので、化石資源の輸入を減らし、製造・運輸・発電・地域暖房といった重要産業における脱炭素化を支援する狙い。

ガスシステムは「北欧バルト海水素回廊」イニシアチブの一員として、バルト海沿いに水素パイプラインを敷設することを検討している。水素輸送の標準化や既存インフラへの統合を図る形でプロジェクトを進めていく姿勢だ。

水素回廊の安定運営に向けた貯蔵施設、そして産業需要に応えるための国内輸送網の整備も重視している。

CO2の回収貯留(CCS)では、政府が計画を策定中だ。貯留先候補として、ノルウェー領海の大陸棚や国内の岩塩坑跡など、様々な選択肢が挙がっているという。CCSは特に重工業の排出削減策として有望視されている。

北欧バルト海水素回廊イニシアチブは、フィンランドからエストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドを通過してドイツまでを結ぶ水素インフラの整備を計画している。昨年12月に当該国の事業者が協力協定を締結した。欧州連合(EU)の「共通利益プロジェクト(PCI)」認定を申請しており、この秋にその可否が判明する見通し。

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