●年間1,500トンの需要を20年間満たせる試算
●リチウム埋蔵量は他国よりも多く、輸出品目としても期待
初の電動国産車の大量生産を計画するトルコで、電源である二次電池の原料として重要なリチウムを地熱塩水から採取しようという動きが出ている。業界団体である地熱エネルギー協会(JED)のアリ・キンダプ会長によると、トルコのリチウム需要は年間およそ1,500トンだが、国内の地熱資源から得られるリチウムは、これまで知られているだけで2万5,000トンに上る。このため、少なくとも20年の国内需要を満たせるというのが業界の考えだ。
JEDは、企業や研究機関と提携してリチウム抽出技術の実現可能性を調査した結果、実用化できると判断し、実際に事業を進めている。トルコのリチウム埋蔵量が他国よりも多いことから、輸出品目としての将来性も期待している。現時点では、トルコで埋蔵されるリチウムの価値が20億米ドル規模に達すると見込まれている。
トルコではイズミル、アイデゥン、マニサ、デニズリ、チャナッカレの各県の地熱塩水に十分なリチウムが含まれているという。