●同工場を現地投資会社に売却、その他の資産も段階的に
●同社は従来の水準を大幅に下回る稼働率で生産を続けてきた
自動車部品大手の独コンチネンタルは22日、ロシアからの撤退を発表した。すでにモスクワ南西部のカルーガにある工場を現地投資会社S8キャピタルに売却することで当局の承認を受けている。取引額は非公表。競合の仏ミシュランとフィンランドのノキアンタイヤは昨年6月に同国からの撤退を発表している。
コンチネンタルはウクライナ戦争勃発直後の昨年3月、カルーガ工場の操業を停止したが、4月になり「現地従業員と経営陣への処罰を避けるため」に稼働を再開。従来の水準を大幅に下回る稼働率で生産を続けてきた。同工場では乗用車用タイヤをはじめ、エアコンやパワーステアリング、エアサスペンションの部品などを生産していた。S8は従業員約1,100人を継続雇用する。
今回の売却対象にはタイヤ部門に属するモスクワの販売代理店も含まれる。コンチネンタルはこのほか、タタルスタン共和国のチストポリでタコグラフを生産する合弁事業、およびホース・配管部門コンチテックがモスクワに持つ営業拠点も売却し、ロシアから完全撤退する方針だ。