●金利据え置きは予想外、市場は利上げを予想
●インフレ低下が見込まれる中、高金利を維持して効果を見極め
セルビア中央銀行(NBS)は11日、政策金利を6%で据え置くことを決めた。金利据え置きは予想外。市場は0.25~0.5ポイントの利上げを予想していた。インフレ率の低下が見込まれる中、現行の金利水準を維持して効果を見極める。
中銀は前回まで13会合連続で利上げを実施した。昨年4月からの上げ幅の合計は5ポイントに上る。
4月のインフレ率は前月から1.1ポイント減の15.1%に低下した。インフレ率の低下は23カ月ぶり。石油製品の価格下落が大きい。今後について中銀は、年後半にかけて低下を続けた後で年末までに急激に下がり、2024年半ばには目標範囲に戻ると予想している。
中銀は声明で、エネルギー価格の下落とサプライチェーンの混乱の緩和により価格圧力が弱まるとしたうえで、主にユーロ圏からの外需が減退する中、国内経済の持続的な成長を確保する必要があり据え置きを決めたと説明した。
また、金融引き締めにより通貨ディナールの対ユーロの為替レートを安定させることが物価の安定に寄与すると指摘。今後の金融政策は、マクロ経済の動向と地政学的な状況を踏まえるとともに、これまでの金融政策の影響を考慮しながら引き締めの度合いや必要性を判断するとした。