ルーマニア中銀が7%で金利据え置き、3会合連続

●金利を維持し、経済成長とインフレ抑制を両立させる

●利上げは来年初めに行われる可能性=エコノミスト

ルーマニア中央銀行は10日、政策金利を7%で据え置くことを決めた。据え置きは3会合連続。経済見通しの不確実性が高まる中、インフレを確実に下げるため高金利を維持する。貸出金利と預金金利もそれぞれ8%、6%で据え置いた。

同国の3月のインフレ率は14.53%となり、前月から0.99ポイント縮小した。インフレ率の低下は2カ月ぶり。原料費や賃金の上昇が価格に転嫁されているものの、燃料価格の下落が相殺している。今後について中銀は、ベース効果や商品価格の低下により今年7-9月期(第3四半期)には一桁台まで下がるとみる。

中銀は声明で、持続可能な経済成長を促すとともにインフレ期待を中期的に抑え、年間インフレ率を目標水準(2.5%前後)に戻すことが重要だと指摘。ウクライナ戦争の長期化などにより「非常に高まっている不確実性」を考慮して金利の維持を決めたと説明した。また、金融機関が持つレウ建ておよび外貨建て債務の両方について、引き続き現行水準の最低預金準備比率を維持することも決めた。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、リアム・ピーチ氏は、「利下げは来年初めに行われる可能性が高いが、他の中東欧諸国よりも後になるだろう」と述べた。

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