●経済大臣の訪問はブルガリアが約50年ぶり、ルーマニアは初
●IT人材の活用や企業の連携、イノベーション振興などで合意
日本はブルガリアおよびルーマニアとの間で、デジタル経済の発展に向けた二国間協力を強化する。西村康稔経済産業大臣の欧州歴訪に合わせ、IT人材の活用やイノベーションの振興などで複数の合意が結ばれた。日本の経済産業大臣の訪問は、ブルガリアが約50年ぶりで、ルーマニアは初。
西村大臣は5日、訪問先のブルガリアで同国のストヤノフ経済産業大臣と会談し、二国間の経済関係の強化に加え、ブルガリアの持つ豊富なIT人材の活用と、高度なデジタル技術に基づくイノベーションの発展、両国のスタートアップ企業の相互支援などで協力することを確認した。同日には同行した日本企業7社とともに、同国で新たに設立されたコンピューター科学・人工知能(AI)・テクノロジー研究所(INSAIT)も視察した。同研究所はソフィア大学の付属機関として、東欧地域に世界トップレベルのイノベーションを生み出すことを目的に設立された。
6日の訪問先のルーマニアではブルドゥージャ研究・イノベーション・デジタル化大臣と会談し、同国の高度なIT人材とスタートアップ企業を活用した両国企業の連携強化、デジタル・イノベーション分野における経済協力の推進で一致した。また、ウクライナ支援に共同で取り組むことも確認した。
西村大臣はこれに先立つ4日、チェコを訪問して原子力協力の強化に向けた覚書を交わしたほか、ポーランドでは水素分野での協力強化で合意した。