リニア鉄道システムのネヴォモ、独車両リース会社と提携

●磁気浮上式鉄道の新技術の走行試験を行う

●既存設備を活用し、導入時間短縮と費用の縮小を実現する

磁気浮上式鉄道システムの開発を手がけるポーランドのネヴォモ(Nevomo)は8日、独自技術「マグレール」の実用化でドイツの鉄道車両リース事業者GATXレール・ヨーロッパと提携すると発表した。既存の設備や車両を活用しながら磁気浮上式鉄道を導入する新技術「マグレール・ブースター」の走行試験を行う。

具体的には、GATXの保有する貨物車両を新システムに組み込み、自社の運営する実験線で走行させる。それによって技術の実用性を確かめる計画だ。

ネヴォモによると、従来の磁気浮上式鉄道システムは新しいインフラの導入を前提としている。同社のシステムは既存の設備を活用できるため、導入時間を短縮し、費用を縮小できるという。

また、輸送に機関車が要らなくなり、小編成・1両のみで運行できるようになる。貨物ターミナルや鉱工業施設内などで運用の幅が広がりそうだ。

ネヴォモは米国発のハイパーループに着想を得ながらも、まずは在来インフラを使った高速輸送の実現に事業目標を定めた。すでに鉄道インフラ事業の伊レーテ・フェッロヴィアーリア・イタリアーナ、港湾運営の独デュースポート、フランス国鉄(SNFC)などとの協働に動いている。

ネヴォモは2019年に縮尺5分の1のモデルで技術を実演した。昨年にはポーランド南西部のノヴァ・サシナで実物大の実験線が完工し、すでにテストを開始している。

ネヴォモ社ホームページ

https://www.nevomo.tech/en/

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