ロシア中銀、5会合連続で金利据え置き

●足元のインフレ率は2.5%まで低下

●インフレ圧力は増しており、次回会合では利上げを検討

ロシア中央銀行は4月28日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を7.5%に据え置くことを決めた。据え置きは5会合連続。インフレが鈍化する一方でインフレ圧力は増していることから、今後は金利の引き上げを検討するとしている。

同国のインフレ率は3月に3.5%となり、前月から7.5ポイント減少した。比較対象となる前年同月のインフレ率が16.7%と高水準だったことによるベース効果が大きい。インフレ率の低下は11月連続。中銀の推定では4月24日時点で2.5%まで下がっている。今後について中銀は、年間インフレ率がベース効果により数か月間は4%を下回るものの、持続的なインフレ圧力は徐々に上がると予想する。

中銀によると、国内総生産(GDP)は内需の拡大と「経済構造の変化」により予想を上回る伸びを示している。年間の成長率予測は今年0.5~2%と、前回の1%から引き上げた。2024年は0.5~2.5%、25年は1.5~2.5%と成長が続く。

中銀は声明で、政府投資の拡大に伴う財政支出の増加や労働力不足、対外貿易条件の悪化がインフレリスクをもたらしていると指摘。経済制裁を受けた生産調達および決済の複雑化が輸入品価格を押し上げることも踏まえると、中期的なインフレ圧力は引き続き高いままだとし、次回の会合では利上げに踏み切る可能性を示唆した。

上部へスクロール