●脅威が高まる中、11億ユーロを拠出しサイバー防衛を強化
●24年初めに欧州サイバーセキュリティ・シールドを始動させる
欧州委員会は18日、欧州連合(EU)へのサイバー攻撃に加盟国の連携を強化して対応する「EUサイバー・ソリダリティ」法案を発表した。サイバー攻撃の脅威が日増しに高まる中、EUが11億ユーロを拠出してサイバー防衛を強化する。
法案の柱となるのは、「欧州サイバーセキュリティ・シールド」の創設と「サイバー・エマージェンシー・メカニズム」の導入。欧州サイバーセキュリティ・シールドはEU各国のセキュリティー・オペレーション・センター(SOC)が協調し、人工知能(AI)や最先端のデータ解析技術などを駆使して、サイバー攻撃を検出して緊急対策を講じる。2024年初めの始動を目指す。
サイバー・エマージェンシー・メカニズムは医療、運輸、エネルギーなど重要分野の施設がサイバー攻撃に脆弱かどうかをテストし、問題がある場合は改善を促す。
このほか、信頼できるサイバーセキュリティ会社と契約し、EUや加盟国の機関が大規模なサイバー攻撃を受けた際の対応を委ねることや、サイバーセキュリティの専門家を域内で育成するアカデミーを発足させることなどが盛り込まれた。
同法案は加盟国と欧州議会による承認が必要となる。