ポーランドと米加のエネ企業4社、GE日立のSMR開発協力で合意

●SMR「BWRX-300」の設計開発に約4億ドルを共同投資

●ポーランドは同SMRを国内に79基配備する計画

ポーランド、米国、カナダのエネルギー企業4社は23日、小型モジュール炉(SMR)の開発協力で合意した。ゼネラル・エレクトリック(GE)と日立製作所の原子力合弁会社、GE日立ニュークリアエナジー(GEH)のSMR「BWRX-300」について、本体および原子炉圧力容器を含む主要部品の設計開発に約4億ドルを共同投資する。長期的には同SMRの設計をライセンス化し、世界展開する目標だ。

合意した4社はGEHと、ポーランド化学大手シントスのエネルギー子会社シントス・グリーン・エナジー(SGE)、米テネシー川流域開発公社(TVA)、カナダのオンタリオ・パワージェネレーション(OPG)。BWRX-300の標準設計はGEHが担う。

ポーランドは2050年のカーボンニュートラル(実質ゼロの排出量)達成を目指しており、同国企業は石炭利用を減らすため原子力の導入を進めている。SGEは21年末、国営石油会社PKNオルレンとBWRX-300の商業展開に向けた折半出資の合弁会社「オルレン・シントス・グリーンエナジー」の設立で合意。このほど欧州連合(EU)欧州委員会の承認を受けた。

SGEとオルレンは同合弁を通じ、国内25カ所に79基のSMRを設置する予定で、29年末までに第1号機を配備する。その後36年までに総発電能力1万メガワットエレクトリック(MWe)のSMR発電ネットワークを構築する計画だ。

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