自主的炭素市場(VCM)※のプラットフォームを開発運営する。土地所有者や森林管理者と提携し、温暖化ガス排出枠(炭素クレジット)の定量化や販売を支援することで、新たな収入源を生み出せるようにしている。炭素クレジットの売却収入(炭素収入)手段をより一般向けに「開放」し、VCMの活性化を通じて気候変動対策への取り組みを前進させる狙いがある。2022年初めに設立されたばかりだが、同年秋には180万ユーロの調達に成功している。
従来のアナログ的な林業の世界と、気候変動問題に携わるデジタル技術セクターとの間のギャップを埋める理想を持つ。同社のプラットフォームではタルトゥ大学の科学者と協力し、森林に関する専門知識と多くのデータソースを組み合わせることで、土地所有者が1分ほどで自分たちの土地が炭素を吸収する能力を簡単に分析計算できるようになっている。これにより土地所有者は、収入を生み出すだけでなく、カーボンオフセット基準管理団体の米Verraなどにより認証された質の高い炭素クレジットを提供できるようになる。
欧州の森林面積は約1億6,000万ヘクタールで、年間で最大2ギガトンの炭素を捕捉・貯留できる可能性を持つ。これは2021年の欧州連合(EU)の二酸化炭素(CO2)総排出量の73%に相当する量とされる。また、カーボンクレジットの需要は2030年までに15倍に増えると見込まれている。
※自主的炭素市場(VCM):カーボンマーケットとも。温室効果ガスの「排出」を別の場所や機会に「吸収」して相殺するカーボンオフセットについて、利害関係者同士が取引を行う場所を指す。2020年にはVCMの運営安定や透明性向上を目指す民間主導の組織TSVCM(Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Markets)が立ち上げられた。
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