●アイオ社はおがくずから食用油脂を作り出す技術を手掛ける
●新開発の発酵菌「レッドバグ」が油脂を生み出す
おがくずから食用油脂を作り出す技術を手がけるエストニアの新興企業アイオ(AeIO)テックがこのほど、100万ユーロを調達した。パーム油、ココナッツオイルの代替製品を市場投入することで、食品産業の持続可能性を高め、資源の有効活用を進める狙い。化粧品・化学メーカーの需要も見込む。
アイオは、タリン工科大学のバイオテクノロジー研究者2人が昨年1月に設立した。農業・木材工業から出る副産物であるおがくずを、独自の発酵技術で加工する。すでに技術特許を取得済みだ。
今回調達した資金で、◇生産能力の拡大◇試作品の拡充◇欧州市場参入に必要な新規食品承認の取得――を進める。2026年の量産開始を計画する。
創業者の1人であるネマイラ・ボントゥリ氏によると、パーム油やココナッツオイルは植物由来の代替肉に使われているが、動物性油脂とは味も食感も違う。また、環境や健康に悪い影響を与える問題もある。ボントゥリ氏が開発した発酵菌「レッドバグ」が生み出す油脂は、これらの問題をすべて解決できるという。
もう一人の創業者、ペトリヤーン・ラフトヴェー教授によると、世界の温室効果化ガス排出量の3分の1以上が農産・食品分野から出されている。従来型の畜産業と比べると、植物由来の代替肉が必要とする農地は1~53%、用水量は1~28%、温室効果ガス排出量は10~70%で済み、環境への影響を大きく減らすことができる。
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