アグリテック・スタートアップ eAgronom(エストニア)

カーボンファーミング※を軸に、農作業の最適化を図りながら温室効果ガスの排出削減を目指せるデジタルプラットフォームを運営している。農場管理ソフトウエア(FMS)を使った作物管理だけでなく、農家によるカーボンクレジット市場へのアクセスも支援する。今年2月のシリーズAラウンドでは740万ドルを調達したほか、欧州連合(EU)から60万ドル相当の助成を受けている。

同社のFMSではセンサーと人工知能(AI)を活用し、リアルタイムの作物モニタリングを行う。作付けと収量の計画、最適に調整された農作業スケジュールなどを提供することで、農家の意思決定を支援する。

もう一つの主要事業であるカーボンクレジットでは、農家がカーボンファーミングにより削減した空気中の二酸化炭素(CO2)の量に応じてクレジットを作成し、「Solid World DAO」市場で取引できるようにする。農地管理のセンサーを通じてCO2の排出量を測定・監視するとともに、ブロックチェーンベースのプラットフォームを経由することで、作成するカーボンクレジットの信頼性を高めている。

2016年の設立で、スタッフ数は約60人。エストニアのほかラトビア、リトアニア、ポーランド、スロバキア、チェコ、ドイツで事業を展開している。現在、1,500以上の顧客を抱え、農地は100万ヘクタール以上におよぶ。

※カーボンファーミング:炭素農業とも。土壌の質を改善することで温室効果ガスの排出削減につなげる取り組みを指す。優れた炭素貯蔵庫としての土壌を保護するため、農地を耕すことをしない不耕起栽培の実施や、表面を覆う緑肥作物の導入、土壌の流出を防ぐ生垣や樹木の育成などを通じて畑の総合的な環境保全に努める。

OU E-Agronom

Jarvekalda tee 10, Veibri kula, Luunja vald Tartu county, 62220, Estonia

Tel: + 372 525 8229  kristjan@eagronom.com  https://eagronom.com/en/ghg-platform/

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