EUと英の首脳会談、FTAなどの交渉加速で合意

英国のジョンソン首相は15日、欧州委員会のフォンデアライエン委員長などEUの首脳とテレビ会議で会談し、自由貿易協定(FTA)など将来の関係の構築に向けた交渉を加速させることで合意した。一方、「移行期間」については英国の方針に沿って延長しないことを確認。年内の合意に向けて、交渉を7月に集中的に行うことになる。

1月末にEUを離脱した英国との将来の関係をめぐる交渉は、3月から4回にわたって行われたが、FTAに関する公平な競争環境や漁業権をめぐって対立し、進展していない。離脱後の急激な変化を回避するため設けられた「移行期間」が終了する12月末までの合意が危ぶまれている。

移行期間については、6月末までに合意すれば、22年12月末まで延長することが可能となっているが、英国側は拒否しており、12日に延長しないことをEU側に伝えていた。ジョンソン首相とフォンデアライエン委員長、ミシェル大統領(欧州理事会常任議長)、欧州議会のサッソリ議長の会談では、移行期間を延長しないことを正式に確認。その上で、FTAなどでの合意に向けて、交渉を活性化させる必要があることで一致した。

EUと英政府は前週、事態打開に向けて集中的に協議する必要があるとして、首席交渉官による交渉を6月29日の週から7月27日の週まで、毎週実施することで合意していた。ジョンソン首相は会談後、「双方の見解は、実際にはそれほど遠く離れていない」とコメント。7月中の合意が可能との見方を示した。

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