EU統計局ユーロスタットが9日に発表した2020年1~3月期の域内総生産(GDP)の最新統計によると、ユーロ圏のGDP伸び率は前期比でマイナス3.6%となり、既報値の同3.8%から0.2ポイント上方修正された。前年同期比はマイナス3.1%で、0.1ポイントの引き上げとなった。(表参照)
EU27カ国ベースのGDPは前期比がマイナス3.2%、前年同期比がマイナス2.6%。前年同期比は変わらないが、前期比は0.1ポイント上方修正された。
ユーロ圏がマイナス成長となるのは、ギリシャに端を発した債務危機に見舞われていた2013年1~3月期以来7年ぶり。新型コロナウイルス感染拡大が経済活動を直撃した。主要国はフランスとイタリアが前期比5.3%減、スペインが5.2%減と、大きく落ち込んだ。ドイツは2.2%減。ドイツとフランス、イタリアは2四半期連続のマイナス成長で、景気後退入りした。1月にEUを離脱した英国は前期比2.0%減だった。
新型コロナウイルス対策としてロックダウン(都市封鎖)を実施しなかったスウェーデンは前期比0.1%増で、プラス成長を確保した。
ユーロ圏では同期に個人消費が前期比4.7%、設備投資が同4.3%、輸出が同4.2%、輸入が同3.6%の幅で落ち込んだ。