EU統計局ユーロスタットが12日に発表したユーロ圏の4月の鉱工業生産指数(季節調整済み、速報値)は前月比17.1%の低下となり、統計を開始した1991年以降で最悪の水準に落ち込んだ。4月は新型コロナウイルス感染拡大による外出・営業制限の影響が全期間に及び、経済活動の停滞が深刻化したため、下げ幅が前月の11.9%から大きく膨らんだ。(表参照)
分野別では自動車、家電など耐久消費財が28.9%低下と、最も落ち込んだ。中間財は15.6%、資本財は26.6%、非耐久消費財は11.9%、エネルギーは4.8%の幅で低下した。
EU27カ国ベースの鉱工業生産指数は17.3%低下。すべての国でマイナスとなった。主要国の下げ幅はドイツが21.0%、フランスが20.3%、イタリアが19.1%、スペインが22.4%だった。
前年同月比ではユーロ圏が28.0%、EUが27.2%のマイナス。下げ幅はそれぞれ前月の13.5%、12.2%を大きく上回った。
欧州では経済活動の再開が進んでおり、鉱工業生産は5月以降に回復すると見込まれている。