伊最大手銀インテーザによるUBI買収、ECBが承認

イタリアの最大手銀行インテーザ・サンパオロは5日、国内5位銀行のUBIバンカを買収する計画が欧州中央銀行(ECB)に承認されたと発表した。伊競争・市場保護委員会からも承認を得なければならないが、実現すると資産総額が1兆1,000億ユーロに上るユーロ圏7位の銀行が誕生する。

インテーザはイタリアで新型コロナウイルスの感染拡大が始まる直前の2月17日、UBIに全額株式交換による買収を提案したと発表した。UBIの株式10株とインテーザの新株17株を交換するという内容で、買収額は約48億6,000万ユーロ。

インテーザは競争上の懸念に対処するため、UBIと合わせて400~500支店を伊6位銀行のBPERバンカに売却する意向を表明。さらにUBIの保険事業の一部を伊保険会社ユニポルサイに売却する方針を示していた。

インテーザによると、ECBは同行がUBIの過半数株を取得することを承認した。また、UBI側からの異議申し立てを回避するため、インテーザはMAC条項(買収の最終契約締結から手続き完了までの間に買収対象の財務状況や経営状態に重大な影響を及ぼす事由が発生した場合、契約を解消して取引から撤退できる取り決め)から新型コロナの影響を除外する方針を表明した。

ユーロ圏の銀行はECBの超低金利政策などで厳しい経営環境に直面している。とくにイタリアでは銀行が乱立状態にあり、競争で疲弊していることから金融当局が統合を促している。インテーザはこれに応え、優良経営で知られるUBIの買収に乗り出した。

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