EU統計局ユーロスタットが4日に発表したユーロ圏の4月の小売業売上高(速報値・数量ベース)は前年同月比で19.6%減となり、過去最大の下げ幅を記録した。新型コロナウイルス対策として各国が外出制限や生活や社会の維持に不可欠ではない店舗の営業を禁止したことで3月にマイナスに転じていたが、同措置の影響が全面的に反映され、マイナス幅が8.8%から大きく拡大した。(表参照)
下げ幅はリーマンショック時の2009年2月を上回る規模。分野別では食品・飲料・たばこが、生活維持に必要な食品店の営業が認められていたため2.5%増加したが、非食品が33.6%減少した。特に繊維・衣料・履物が63.5%減と大きく落ち込んだ。一方、通信販売は「巣ごもり需要」で20.9%増と好調だった。医療・医薬品も需要があり、3.5%減と小幅の縮小にとどまった。
EU27カ国ベースの小売業売上高は18.0%減。主要国はフランスが31.1%減、スペインが29.8%減と不振が目立つ。ドイツは6.2%減だった。イタリアは新型コロナ感染拡大の影響でデータがまとまっていない。