コバルト大手の中国・浙江華友鈷業(華友コバルト)が、ハンガリーに電気自動車(EV)用電池の正極材工場を建設する。Eモビリティ専門サイト「エレクトライブ」が23日、同国のシーヤールト外務貿易相の発表として伝えた。投資額は5,200億フォリント(約14億ユーロ)で、年産能力は約10万トンの予定。同社にとって欧州初の生産拠点となる。建設時期や雇用人数などの詳細は明らかにされていない。
建設地はハンガリー北西部のスロバキア国境沿いにあるアーチで、独アウディが工場を持つジュールから数キロの位置にある。アウディは2025年から同工場でフォルクスワーゲン(VW)グループの小型EV用プラットフォーム「MEB ECO」向けの電気モーターを生産するほか、数年以内に完全電気自動車(BEV)モデルの生産を開始する予定。
ハンガリーではすでに、東部デブレツェンで中国の寧徳時代新能源科技(CATL)や湖北億緯動力(Eve Power)が電池生産を行う計画を発表している。また、韓国のバッテリー正極材最大手エコプロBMは4月、同国のバッテリー材料メーカーとして初めての欧州工場をデブレツェンで着工した。