英中銀が13会合連続で利上げ、上げ幅は0.5%に拡大

英イングランド銀行(中央銀行)は22日、政策金利を4.5%から0.5ポイント引き上げ、5.0%にすると発表した。利上げは13会合連続で、金利は2008年以来以来の高水準となった。鈍化傾向にあったインフレ率が高止まりしていることから、通常の2倍となる大幅な利上げに踏み切った。

追加利上げは21日まで開いた金融政策委員会(MPC)で決定した。委員9人のうち7人が0.5ポイントの利上げを支持、2人が据え置きを主張した。

英国のインフレ率は22年10月に41年ぶりの高水準となる11.1%に達したが、その後はエネルギー価格高騰に歯止めがかかったことなどで縮小傾向にあった。しかし、統計局(ONS)が21日に発表した5月のインフレ率は市場の予想を上回る前年同月比8.7%となり、前月と同水準だった。

MPCは過去2会合の利上げ幅を0.25ポイントに抑えた。しかし、5月のインフレ率が予想外に高かったことから、上げ幅を0.5ポイントに戻した。同水準の引き上げは2月以来。

英国では労働需給のひっ迫で賃上げが加速し、インフレ圧力が根強い状況となっている。 イングランド銀のベイリー総裁は、会合後にハント財務相に送った書簡で「MPCはインフレ率が持続的に目標値の2.0%に戻るために必要なことを何でもする」と述べ、今後も利上げを継続することを示唆した。

イングランド銀行は高金利が経済に悪影響を及ぼすものの、今年は景気後退(2四半期連続のマイナス成長)入りを回避できると見込んでいる。ただ、住宅ローン金利が跳ね上がり、債務者の家計を圧迫するといった痛みが伴う。ベイリー総裁は「債務者にとって厳しい決定であることは分かっている」と述べた一方で、「いま利上げを実施しなければ、後に事態が悪化する」として、金融引き締め継続への理解を求めた。

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