インテルの独半導体工場開設、投資額が倍増

半導体大手の米インテルは19日、独東部のマグデブルクに半導体工場を開設すると正式発表した。投資額は300億ユーロ。政府が支援を強化することで合意したことから、当初の予定から2倍近く引き上げた。ドイツへの海外企業による投資では過去最大規模となる。

インテルは2022年3月、欧州での生産の大幅拡大に向け、総額330億ユーロを投資し、マグデブルクやイタリア、スペイン、ポーランド、アイルランドに工場を新設すると発表していた。EUの欧州委員会が域内の半導体研究開発や生産を推進するための「欧州半導体法案」を発表し、30年までに官民で430億ユーロを投じて開発拠点や生産設備の増強を後押しするほか、有力メーカーの誘致にも力を入れる方針を打ち出したことが背景にある。

マグデブルクには2カ所に工場を建設する。当初の投資額は170億ユーロだった。英フィナンシャル・タイムズによると、ドイツ政府と交渉した結果、補助金が68億ユーロから99億ユーロに引き上げられたことから、投資を大幅に増額した。

インテルによると、欧州委員会から補助金交付の承認を取り付けてから着工し、4~5年後の稼働を目指す。

独ショルツ首相は19日、「本日の合意はドイツがハイテク生産拠点となる上で重要な一歩だ」と述べ、インテルの決定を歓迎した。

上部へスクロール