メルセデス、欧州の低酸素鋼調達量を20万トン超に

高級乗用車大手の独メルセデスベンツは13日、欧州で調達する低炭素鋼の規模を2030年までに20万トン超に拡大する方針を明らかにした。車両1台当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を製品ライフサイクルベースで同年までに20年の半分以下に減らす目標の実現に向けた措置。脱炭素の取り組みで先行する欧州で持続可能な鉄鋼サプライチェーンを構築し、他の地域の青写真とする考えだ。

高炉で作る従来型の鉄鋼は製品1トン当たりのCO2排出量が2トンを超える。自動車の生産に伴い発生するCO2の最大20%を鉄鋼が占めることから、カーボンフットプリントの少ない鉄鋼の調達拡大は車メーカーにとって緊急の課題となっている。

メルセデスは鉄鋼大手の独ザルツギター、ティッセンクルップ・スチール、墺フェストアリピーネ、伊アルベディ、スウェーデンのSSAB、H2グリーン・スチールとの契約を通して20万トン超の調達目標を達成する意向だ。コークスの代わりに水素を用いる直接還元法で生産した鉄鋼やリサイクル品を確保する。

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