ロシア中銀が6会合連続で金利据え置き、今後の利上げも示唆

ロシア中央銀行は9日の金融政策決定会合で、主要政策金利の7日物入札レポ金利を7.5%に据え置くことを決めた。据え置きは6会合連続。国内経済が予想を超えて伸びる中、インフレ圧力がこれまで以上に高まっているとし、今後の会合で利上げに踏み切る可能性に言及した。 同国のインフレ率は5月に2.5%となり、前月から0.2ポイント増加した。インフレ率の上昇は13カ月ぶり。中銀の推定では6月5日時点で2.6%まで上がっている。今後について中銀は、消費者需要の回復と、年初からのルーブル安に伴うコストの価格転嫁によりインフレ圧力は増し続けると予想する。そのうえで、引き締めを基調とする現行の金融政策を踏まえると、年間インフレ率は今年4.5~6.5%まで上昇するものの、2024年には目標値の4%近くに戻るとみる。 国内総生産(GDP)は内需の拡大と「経済構造の変化」により予想を上回る伸びを示している。一方、部分動員の影響で人手不足が深刻化しており、実質賃金の伸びが生産性を上回るおそれがある。 中銀は声明で、政府投資の拡大に伴う財政支出の増加や対外貿易条件の悪化、深刻な労働力不足がインフレリスクをもたらしていると指摘。経済制裁を受けた生産調達および決済の複雑化が輸入品価格を押し上げることも踏まえると、インフレリスクのバランスは「より上向きに傾いている」とし、インフレ圧力を和らげるため次回の会合で利上げを行う可能性を示唆した。

上部へスクロール