東レの独子会社、ガラス繊維強化PPS樹脂のリサイクル技術確立

東レは1日、独子会社の東レ・レジンズ・ヨーロッパ(TREU)が射出成形工程から廃出されるガラス繊維強化PPS樹脂のリサイクルプロセスを確立したと発表した。欧州の顧客向けを中心に今後、サンプルワークを展開し、リサイクル素材・製品の統合ブランドである「Ecouse」シリーズの「“Ecouse”TORELINA」として販売する計画だ。

ガラス繊維強化PPS樹脂は難燃性、長期耐久性、耐薬品性に優れていることから、自動車、電機・電子、水廻り部品など幅広い分野で使用されている。近年は世界的な環境意識の高まりを背景にリサイクルへのニーズが急速に拡大しているが、従来のリサイクルでは、成形加工が繰り返されることにより、ガラス繊維の長さが短く折損し、機械強度の大幅な低下が生じるため、リサイクル比率を低く抑える必要があった。

TREUが確立したプロセスを適用したリサイクル率50%のガラス繊維強化PPS樹脂は、ヴァージン原料を用いた射出グレードと比較して90%以上の機械強度を保持している。また、カーボンフットプリント(CFP)を約45%削減できる。

CFPは合成樹脂の有力試験機関である独SKZ-ダス・クンストシュトッフ・ツェントルムが製品のライフサイクルアセスメントに関する規格であるISO14040/14044およびCFPに関する規格であるISO14067に基づき算出し、検証された。

東レは同プロセスを、委託加工パートナーである高機能樹脂製品リサイクル・コンパウンド会社MKV GmbHクンストシュトッフグラヌラーテの協力を得て開発した。

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