EU加盟国は25日、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナを支援するため2022年に導入した特例的な貿易制限緩和措置の適用を1年間延長することで合意したと発表した。EUがウクライナから輸入する全製品への関税を引き続きゼロにする。
EUは22年6月、ウクライナ支援の一環として、全品目を対象に輸入関税を免除するといった「自主的貿易措置(ATM)」と呼ばれる特例制度を導入した。関税免除のほか、農産物などの数量制限撤廃、セーフガード(緊急輸入制限)の対象からウクライナ製品を除外することや、一部の同国産の鉄鋼製品に発動している反ダンピング(不当廉売)措置の解除も盛り込まれている。
ATMは1年間の時限的措置だったが、EUとウクライナの貿易に大きく貢献していることを踏まえ、欧州委は2月に1年間の延長を提案。欧州議会は承認済みだった。EU加盟国の承認を経て最終決定となった。