ポーランド初の水素燃料電池機関車(水素機関車)がまもなく実用化される見込みだ。同国鉄道運輸局は開発元の鉄道車両メーカーPESAに対し、試験運行のための認可証明書を発行する。
同水素機関車は「SM42」入換機関車がベースとなる。牽引能力は約3,200トンで、1日に必要な水素燃料は約170kg。自動運転システムの導入により運転士1人で車両基地での操車を行える。衝突防止の障害物認識システムも搭載する。
PESAは水素機関車の開発で石油大手PKNオルレンと提携し、旅客・貨物車両の双方を対象に開発から試験を経て商業化に至るまで一貫して協力している。すでに同国南西部のジミグルトにあるPESAの試験用コースで動作テストを行っており、当局の承認後に次の段階の試験に進む。最終的にPKNオルレンのもとで試験を行い、その結果により鉄道車両の水素化戦略を決定する方針だ。
PKNオルレンは総額74億ズロチ(16億3,000万ユーロ)規模の水素戦略を進めている。2030年までに再生可能エネルギー由来の水素を年間13万トン生産し、一部を代替燃料として供給する予定。同年までに国内とチェコ、スロバキアで道路や鉄道向けに水素ステーションを111カ所(ポーランド57、チェコ28、スロバキア26)設置する計画だ。