JA全農・クボタとBASFが実証試験、営農支援システム連携で

全国農業協同組合連合会(JA全農)とクボタ、独化学大手BASFは15日、JA全農とBASFが日本国内で開発・推進する栽培管理支援システム「ザルビオ・フィールドマネージャー」とクボタが開発・推進する営農・サービス支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」のシステム連携の実証試験を開始したと発表した。労働力不足に伴う農地集約や、化学肥料の使用量削減を掲げる政府の「緑の食料システム戦略」などを背景に生産効率の引き上げや、無駄のない効果的な施肥が求められていることに対応する。

実証試験では、人工衛星センシング画像からザルビオ・フィールドマネージャーが作成した可変施肥マップのデータをKSAS経由で取り込んだクボタ製田植機で施肥作業を実施。システム機能や操作性を確認する。

可変施肥マップは、圃場(ほじょう)内での生育のばらつきを解消するため、生育が良いところと悪いところで肥料の散布量に濃淡をつけて地図上に示したもの。クボタの対応田植機はこのマップの指示通りに自動で量を調節しながら施肥することができる。

ザルビオ・フィールドマネージャーの可変施肥マップのデータはこれまで、USBメモリーを介して農業機械に取り込んできたが、KSASとのシステム連携により物理的にデータを持ち運ぶことなくデータ移行が行えるようになる。連携機能は2024年春に正式リリースする予定だ。田植機以外の農機への展開も視野に入れている。

JA全農とBASFは20年に協業合意した。ザルビオ・フィールドマネージャーを21年から日本に導入し、普及を進めている。

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