ステランティスがカナダの電池工場建設を停止、公的支援めぐり

欧州自動車大手ステランティスは15日、カナダのオンタリオ州で進めていた電気自動車(EV)用電池工場の建設を停止したと発表した。連邦政府と地元政府が約束していた公的支援を実施していないことが理由としている。

ステランティスは2021年10月、韓国LG化学の電池子会社LGエナジーソリューションとカナダでEV用電池を生産する合弁会社を設立することで合意したと発表。22年には50億カナダドル(約5,038億円)以上を投じ、オンタリオ州ウィンザーに年産能力45ギガワット時(GWh)の工場を建設すると発表していた。

同社によると、連邦政府とオンタリオ州政府は同事業に約10億カナダドルを支援することで合意していた。しかし、支援が履行されないことから、15日に電池モジュール工場の建設を中断した。電池セル工場建設事業の一部は継続している。支援問題ついては、連邦政府と協議中という。

カナダ政府は3月、独フォルクスワーゲン(VW)がオンタリオ州セントトーマスにEV用電池工場を建設する計画に対して、最大13億カナダドルの支援を行うと発表した。今回のステランティスの動きには、ライバル企業が同社より多い支援を受けることに反発した面もあると目される。

上部へスクロール