米セプトン、オーストリアのALP.Lab、スイスのTEコネクティビティの3社がこのほど実施したV2Xコンセプトの実証試験プロジェクト。交差点に設置したLiDARセンサーにより歩行者などの動きを検知し、リアルタイムでドライバーに危険を通知する警告システムを試験した。
試験では、ドライバーが目視できる約5秒前に歩行者が車両の進行方向に侵入してくる危険を知らせることができた。3社は今後さらに、最初の試験結果を検証するための定量試験の実施で協力する。
3社は開発中のV2Xコンセプトにより、自転車や歩行者の交通事故削減を目指している。欧州委員会が公表した統計データによると、2021年は都市部における交通事故死亡者の約70%が歩行者や自転車などの保護されていない道路参加者だった。
セプトンは当該プロジェクトに3D LiDARセンサーを供給した。LiDARセンサーをエッジコンピューティングおよび認識ソフトウエアと連携し、昼夜を問わずリアルタイムで対象物を検知・分析・追跡することができるようにした。
ALP.Labは、全体的なシステム統合とシステムの試験を担当した。セプトンのLiDARシステムから出力されたデータをCAMに変換し、交通の流れ、車両の位置、走行速度・方向などの重要なデータをドライバーに伝達するためのソフトウエアを提供したほか、プロジェクトのテストエリアや技術インフラも提供した。
TEコネクティビティはV2Xソリューションを供給した。車両や周辺のインフラに設置するハードウエアや車両の位置や警告を表示するための車載システムなどを提供している。