自動車とその周辺環境(充電インフラ、信号機、駐車スペースなど)との安全なデータ通信を可能にするために必要な標準および技術コンセプトを開発することを目的とするドイツの共同研究プロジェクト。
独自動車部品大手のボッシュがコンソーシアムの調整役を務めており、大学や自動車部品メーカー、システムプロバイダーなどが参加している。ドイツ連邦経済・気候保護省は当該プロジェクトの予算の半分に相当する1,400万ユーロを資金支援している。
利用可能な充電スタンドを探したり、充電料金を決済するサービスは、現在、一部の企業が提供しているものの、特定のアプリケーションや車両、顧客グループに限定されている。
今回のプロジェクトでは、様々なビジネスモデルのプロバイダーが利用できるオープンな標準の開発に取り組む。その際、信頼できる安全なデータインフラの技術的、経済的、法的基盤を定義する欧州のプラットフォーム「ガイアX」を基盤とする。
現在、都心部では駐車スペースを探すための運転が交通量の約3分の1を占めている。また、欧州では2030年までに新車登録の約半数が電気自動車になるとの予想もある。
都心部での交通量を削減するためには、駐車スペースや充電インフラを迅速かつ適切なタイミングで見つけることができるようにする必要がある。
当該プロジェクトでは、ドイツ、フランス、ルクセンブルクの国境地域(メルツィヒ/ザールブリュッケン)にテスト区間を設けて実証試験を行う計画もある。
プロジェクトには、ボッシュのほか、デンソーのドイツ法人やザールラント応用科学大学、ドイツ航空宇宙センター(DLR)などが参加している。