独航空機エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズ(以下、MTU)が開発する液体水素を燃料とする航空機向け燃料電池システム。FFCの開発では、ドイツ航空宇宙センター(DLR)と協力している。
FFCは、燃料電池により、液体水素を電気エネルギーに変換し、高効率の電気モーターがプロペラを駆動する仕組み。2020年代半ばにFFC搭載機の最初の試験飛行を計画しており、2035年から、短距離ルート(コミューター/地域航空輸送)への市場投入を目指している。2050年からは、短距離および中距離ルートへの導入を視野に入れている。
DLRとの協力では、DLRが主導する研究プロジェクト「Do228」がプラットフォームとなっている。「Do228」は、従来のガスタービン2基の1基を、燃料電池を動力源とする600kWの電動ドライブトレインに置き換えて試験する。DLRとの協力では、MTUが液体水素を燃料とする燃料電池駆動システムおよび制御装置の開発、DLRは、航空機への駆動システムの統合、研究用航空機の提供、飛行試験の実施を担当している。
MTUはこれらの取り組みと並行し、認証要件に対応するため、欧州連合(EU)航空当局の欧州航空安全局(EASA)とも協力している。