EU入域禁止を6月15日まで再延長、欧州委が提案

欧州委員会は8日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として実施している第三国から欧州連合(EU)域内への入域を原則禁止する措置について、6月15日まで1カ月延長することを加盟国に提案した。欧州では感染拡大のペースが緩やかになっており、多くの国で外出制限が段階的に緩和されているが、域外からの渡航者を受け入れるのは時期尚早と判断した。

EUは3月17日の緊急首脳会議で域内への渡航を30日間禁止する措置を決定。アイルランドを除くEU26カ国とシェンゲン協定に参加する非EU4カ国(ノルウェー、スイス、アイスランド、リヒテンシュタイン)は同措置に基づき、域外に在住するこれら30カ国の市民とその家族、EU加盟国の長期在住者、医療従事者や運送従事者などを除き、不要不急な渡航を原則禁止している。加盟国は4月8日に同措置を1カ月延長することで合意しており、今回は2回目の延長となる。

欧州委は3月末に加盟国に示した指針に基づき、まず各国が足並みを揃えて域内の移動制限を段階的に解除し、その後に域外からの渡航制限を緩和すべきだとの考えを示している。

シナス副委員長は声明で「欧州の多くの国で進展がみられるものの、世界的には極めて危うい状況だ。いかなる行動も徐々に進めることが不可欠で、どの段階でどの措置を解除できるか適切に判断する必要がある」と指摘。ヨハンソン委員(内務担当)は「シェンゲン圏内における移動の自由を正常化させることが最優先だ。域外からの入域制限を解除する前に、域内の国境管理と移動の自由の制限を段階的に取り除く必要がある」と強調した。

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