欧州委が銀行の資本規制緩和を提案、苦境の企業・個人への融資促進へ

欧州委員会は4月28日、EUの銀行に対する資本規制の一部を暫定的に緩和することを提案した。銀行が新型コロナウイルス感染拡大で厳しい状況にある企業や個人に積極的に融資し、経済を下支えするのが目的で、融資額を最大で4,500億ユーロ上積みすることを目指す。

規制緩和は銀行の融資能力増強が狙い。新型コロナ危機で企業や個人の融資返済が厳しくなっている中、貸倒引当金に関するルールを弾力的に運用し、返済が遅れた融資について引当金を計上しなくてもいいようにする。

このほか、自己資本の基本的項目(ティアー1)を非リスクベースのエクスポージャー(与信額)を除して算出するレバレッジ比率に関する規制も緩和し、銀行の中央銀行の預金をエクスポージャーから除外することなども提案した。

この規制緩和はEU加盟国と欧州議会の承認が必要。欧州委は6月までに承認を取り付けたいとしている。

上部へスクロール