加盟国が対ベトナムFTAを最終承認、初夏にも発効へ

欧州連合(EU)加盟国は3月30日に開いた閣僚理事会で、ベトナムとの自由貿易協定(FTA)を最終的に承認した。欧州議会は2月に承認しており、これでEU側の批准手続きは完了したことになる。ベトナム議会の批准を経て、初夏にも発効する見通しだ。

EUと東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国とのFTAはシンガポールに次ぐ2カ国目となる。発効後、物品貿易では双方にとって最終的に99%の品目で関税が撤廃される。EUからベトナムへの輸出は65%の関税を発効と同時に撤廃し、残りは最長10年かけて段階的にゼロにする。一方、ベトナムからEUへの輸出は71%の関税を即時撤廃し、残りは7年かけてゼロを目指す。

EUにとってベトナムはASEAN加盟国の中でシンガポールに次ぐ貿易相手国。EUからは機械、輸送機器、化学品、農産品など、ベトナムからは通信機器、コメ、海産物、衣料品などを輸出している。

EUとベトナムは2012年6月にFTA交渉を開始し、15年12月に協定の内容で最終合意。19年6月に署名した。FTAには知的財産権の保護、人権や労働者の権利保護、持続可能な開発に関する規定なども盛り込まれている。

一方、EUとベトナムはFTAと同時に投資保護協定(IPA)に署名しており、欧州議会も既に承認済み。ただし、欧州議会と閣僚理事会の承認でEU側の批准手続きが完了するFTAと異なり、IPAは全加盟国の議会による批准が必要。発効後、EU21カ国とベトナムが個別に結んでいる二国間協定はIPAに置き換えられる。

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