欧州委が物流円滑化に向けた手引き策定、新型コロナ受けた国境管理に対応

欧州委員会は3

月23日、欧州連合(EU)域内のすべての国境検問所に貨物輸送のための優先レーン(グリーンレーン)を設け、積荷の検査や運転手の健康検査を含めて15分以内に検問を通過できるようにすることなどを柱とする通達を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて域内で国境管理を再導入する動きが広がり、物流に深刻な影響が及んでいる状況を改善するための措置。今回の通達は、欧州委が3

月16日に発表した「国境管理措置に関する指針」を実践するための手引きとなる。

EU内ではトラック輸送が域内における貨物輸送の75%を占めているが、新型コロナ対応で加盟国が相次いで国境管理を強化した結果、国境付近で数十キロに及ぶ渋滞が発生するなど、域内の物流を直撃している。欧州委はこうした現状を改善するため、EU市民の健康を守りながら、生活に必要な物資の供給やサービスを確保するための具体策を検討していた。

欧州委は加盟国に対し、トラック輸送だけでなく、鉄道、海運、空運を含めてすべての国境検問所に優先レーンを設け、あらゆる物資の輸送従事者が健康検査を含めて15分以内に検問を通過できるようにするよう求めている。それでも渋滞が緩和されない場合、加盟国は貨物輸送専用に検問所を設置し、物流の円滑化を図る必要がある。

また、貨物輸送を支えるトラックや列車の運転手、パイロットや乗務員などに対し、健康に問題がない限り隔離や外出禁止をはじめとする移動制限の適用を免除し、域内での自由な移動を保障する。

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