欧州委員会は10日、新型コロナウイルスの感染拡大で航空業界が大きな影響を受けていることを受けて、欧州連合(EU)の空港の発着枠に関するルールの見直しを提案した。現行ルールでは、航空各社は割り当てられた定期便の発着枠の利用率が80%を割り込むと、それを取り上げられるが、一時的に同規定を撤廃する。
このルール緩和は、欧州などの航空会社が新型コロナウイルスの感染拡大で旅客が急減し、減便、欠航を迫られているため。発着枠を確保するため、乗客がゼロでも運航し、経営を一層圧迫する事態を避けるため、特別措置として利用率が80%以下になっても発着枠を維持できるようにする。
同措置は業界団体が要望していたもので、新型コロナウイルス問題が終息するまで実施する。加盟国と欧州議会の承認が必要となるが、欧州委は緊急事態として早急に承認するよう呼びかけている。
EUは同様の措置を重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行した2003年、米国で同時多発テロが起きた01年に実施したことがある。